文化政策

三重県地方自治研究センターでは、この度「文化政策における参加・協働の在り方に関する研究会」を設置しました。

本研究会では、三重大学教育学部 特任教授 山田 康彦様を座長に迎え、研究会メンバー(東員町、四日市市、亀山市、伊賀市、伊勢市、多気町)と、文化振興事業の現場の実情や課題を踏まえながら、これからの社会にとって重要となる「参加・協働」に主眼を置いて、文化芸術の役割や自治体文化政策の在り方について研究を進めていきます。

第1回研究会(9月28日開催)では、自治体の住民意識調査等から見える文化芸術を取り巻く現状を共有したほか、山田座長から文化芸術基本法と文化芸術推進基本計画において特に注目するべき点をテーマに講義いただき、その後に各市町での意見交換を行いました。
第2回研究会(10月20日開催)では、各自治体の取組みの状況と課題の確認として、各研究員からそれぞれの市町における事業の取組み内容を、特に住民の参加・協働、他分野との連携、自治体支援制度、文化施設の運営等に重点を置いて説明いただき、その後に意見交換を行いました。また、山田座長から今後の研究の進め方のポイントとなる視点等について提案いただきました。
今後は、これまでに出された意見や提案を踏まえて引き続き議論を深めていきたいと思います。

機関紙「地方自治みえ」,文化政策

『地方自治みえ』第340号(2020年10月)を発行しました。
会員の皆さまには発送しています。

【今月号の内容】
 地域社会にとっての文化の必要性と自治体政策
  三重大学教育学部 特任教授 山田 康彦 氏

セミナー 講演会 シンポジウム,地域共生社会

 2020年9月30日(水)三重地方自治労働文化センター4階 大会議室において、セミナー「地域共生社会における連携を考える」を開催しました。

 はじめに、三重大学大学院医学系研究科生命医科学専攻臨床医学系講座家庭医療学分野助教 後藤 道子 氏に「地域包括ケアの充実に向けて~ヒューマンケアに必要な専門職連携や組織間連携とその考え方~」と題した、ご講演をいただきました。
 三重大学総合診療ネットワークでは、地域住民が健康的な生活を続けられるように総合診療の推進や医療従事者の育成を行われています。ご講演では、地域総合医療に関わる状況やその背景、総合医療医の果たす役割、地域における全国や三重の事例についてお話いただきました。また、地域包括ケアの基礎的な理論についてご解説いただき、現在の地域福祉の分野で中心的な概念・制度の一つである地域包括ケアについて、参加者は新たな視点で考えることができました。また、保健・福祉・医療についての分野で近年世界的に推進されている専門職連携について、教育、特に対話的な教育の重要性を学ぶことができました。
 次に、名張市「地域共生社会の実現に向けて」の映像を閲覧し、住民主体の生活支援や福祉に関わる総合的な相談窓口の取組みなどの事例から、名張市における地域共生社会政策について学びました。
 最後に、三重県内29市町に対して実施した福祉教育についてのアンケートを参加者と見ながら地域共生社会に向けた課題を共有致しました。
 講演を通じ、制度・分野の枠や従来の関係を越えて、施策や取組みを実行するということの難しさを考えたと同時に、地域において、様々な立場でご尽力されている方の力で地域が支えられていることを改めて感じました。