2021年7月14日(水) 三重県地方自治研究集会を開催しました。初めに主催者である自治労三重県本部長澤中央執行委員長から挨拶をいただいた後、当センターの田中理事長より「今回の集会は、人口減少、少子高齢化社会において地方自治体が抱えている様々な問題課題、そしてウィズコロナアフターコロナの地方自治体の在り方について議論し、目指すべき方向を探っていくことと考えている。本集会を通じて活発な議論をしていただき解決の糸口を見つけていただければと願っている。」と挨拶がありました。
基調講演では、九州大学大学院法学研究院教授 嶋田 暁文氏により『新型コロナウイルスと地方自治』というテーマでご講演いただきました。コロナ禍では、元々内在していた問題点が露わになっているとして、保健所機能のパンクや病床逼迫で抱えていた問題点を指摘した上で、自治体が独自の取組により病床確保に成功した事例が紹介されました。また、露わになった国と地方の関係性の問題点として、地方分権一括法により国と地方は対等・協力関係となったはずが、現実には全くそうなっていなかったことをコロナ禍の事例を紹介しながら指摘されました。最後に、コロナ禍において有効だった自治体の独自の取組を紹介し、自治体職員に求められる働き方として、できない理由ではなく、できる方法を考えて仕事に取り組むことの重要性をお話いただきました。
三重県地方自治研究センター報告では、当センター主任研究員の柳原から「これからの自治体文化政策について」というテーマで報告を行いました。報告では、文化政策を取り巻く状況、自治体文化政策現場の現状や課題、先進事例としてオンライン視察を実施した香川県丸亀市と青森県八戸市の取組内容、課題の解決・改善に向けて研究会で議論した今後の方向性等の調査研究内容について発表を行いました。
2021年三重県地方自治研究集会の開催について
2021年度三重県地方自治研究センター定期総会を開催しました
2021年6月2日(水)、三重地方自治労働文化センター4階大会議室において、「2021年度三重県地方自治研究センター定期総会」を開催しました。
議事内容は、まず報告事項として、2020年度事業報告と会計決算及び会計監査報告を行いました。続いて議案として、2021年度活動方針(案)及び2021年度予算(案)について提案を行い確認されました。さらに続けて、役員の一部改選(案)についても提案を行い承認を受けました。
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定期総会終了後には記念講演会を開催しました。新型コロナウイルス感染症の全国的な感染状況を考慮して開催方法を変更し、講師にオンライン上でご講演いただく方式で開催しました。
講師にお迎えした兵庫県公立大学法人 兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科 研究科長・教授 室﨑 益輝 氏から、「大規模災害と地方自治体」と題したご講演を頂きました。
【講師略歴】
1944年兵庫県生まれ。京都大学工学部建築学科卒業。神戸大学教授、消防研究センター所長、関西学院大学教授などを経て、2017年より現職。日本火災学会会長、日本災害復興学会会長、地区防災計画学会会長、消防審議会会長、ひょうごボランタリープラザ所長、ひょうご震災記念21世紀研究機構副理事長などを歴任。日本建築学会賞、日本火災学会賞、防災功労者内閣総理大臣表彰などを受賞。著書に「地域計画と防火」(単著 1981年)、「ビル火災」(単著 1982年)、「建築防災・安全」(単著 1989年)、「大震災以後」(共著 1998年)、「防災対策と危機管理」(共著 2005年)、「災害時のヘルスプロモーション」(共著 2007年)など。
室﨑氏からは、大規模災害が多発し、今般の新型コロナウイルス感染症のようなウイルス災害と豪雨災害、地震災害による複合災害が避けられない時代を迎えている中で、住民の命と暮らしを守る責務を持つ自治体組織・自治体職員として災害対応に向き合うための体制・対策・心構えについてお話いただきました。
なお、当日の内容については、今月25日発行の機関紙『地方自治みえ』第348号で概要をお伝えする予定です。
連続セミナー「地方自治の学び場‐地方分権の視点から地方財政の確立を志す‐」第5回(最終回)を開催しました
地方分権の視点から地方財政に関する能力を高め、地方財政の健全化と地方分権の達成に資することを目的として、自治労三重県本部との共催で行う本セミナーですが、2021年5月21日(金)に最終回となる第5回目を開催しました。第5回目は、公益財団法人地方自治総合研究所 主任研究員 今井 照 氏をお迎えし「事例から考えるこれからの国・自治体間関係‐コロナ禍・標準化・スーパーシティ」という内容でのご講義をいただきました。当日は、新型コロナウイルス感染症の全国的な感染状況を考慮し、これまでと同様にオンライン上でご講義いただく方式で開催致しました。
講義の前半では、新型コロナウイルス感染症対策における問題を「コロナ『対策』禍」として、帰国者・接触者相談センター、特別定額給付金、ワクチン接種等のコロナ対策において、より顕著に表れた国と自治体間の関係の問題点について、後半では、現在進みつつある行政のデジタル化推進における問題を「デジタル禍」として、行政のデジタル化、自治体システムの標準化、スーパーシティ構想の問題点について、それぞれご説明とご考察をいただきました。
これらの問題に対応していくために、自体体の根源的な構造改革と、国と自治体間の関係の再構築が必要であるとご提言いただきました。
今回の講座をもって、全5回全てのセミナーが終了となりますが、ご登壇いただいた3名の講師から、地方分権と地方財政に関わる様々なご提言をいただきました。受講者の皆様におかれましては、本セミナーを通じて得ることの出来た知識や視点等、これからの業務で活用いただければと思います。