セミナー 講演会 シンポジウム

2016年10月14日、15日と「第36回地方自治研究全国集会 宮城自治研」に参加してきました。
今回は、復興が大きなテーマの一つでした。
東北大学大学院経済学研究科教授 地域計画担当 増田 聡先生による記念講演「宮城の未来、復興へのまちづくり」では、復興現場では地域コミュニティーやNPO法人がどのような活動を行っているか報告がありました。
現在、当センターでも研究会を立ち上げ意見交換を行っている事業に「地域自治組織」があります。
先生からは、小規模多機能自治(地域自治組織)では、災害時、復興時に何ができるのか事前に考えておくことが重要、とご指摘がありました。
災害という異常な状況下においてどれだけ柔軟に対応できるのか、事前の準備にかかっている部分は少なくありません。
自治体職員と地域自治組織の連携が望まれます。

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(主任研究員 栗田・佐々木)

機関紙「地方自治みえ」,その他

『地方自治みえ』第291号(2016年9月)を発行しました。
会員の皆さまには発送しています。

【今月号の内容】
『小さなきらめきを ~ストレングスに注目したアーティストの誕生~』
広島文化学園大学教授 岡本 陽子 氏

『組織にコミュニケーション能力が必要な時代だからこそ』
三重県地方自治研究センター 主任研究員 栗田 英俊

地方自治みえ291号

三重県内の情報,その他

当センターでは、2016年2月に「就労困難者の雇用創出プロジェクト」を立ち上げ、障がいを抱えているにも関わらず、障害者手帳の交付対象とならないため就労困難な若者も、働くことができるようになるような仕組みを研究しています。
若者の就労支援を行っているサポートステーション(以下、サポステ)のスタッフの方にヒアリングを行ったところ、「チャレンジ体験事業」が有効な支援策であるという意見が挙げられました。この事業は、サポステの利用者が企業に3~4週間通いながら、実践的な職業訓練を行うというものです。
そこで、9月15日(木)に、体験者を積極的に受け入れてみえる、鈴鹿市の中部工業株式会社さんに、感じることを伺ってきました。

中部工業さんは、これまで3名のチャレンジ体験者を受け入れています。もともと障がい者雇用を積極的に進めてきた中で、社内研修等を重ねてきた結果、どんな方でも温かく受け入れる雰囲気が社内に醸成されてきたことが、スムーズな受け入れにつながっているとのことでした。

職場では、体験者と指導員が信頼関係を築けるよう留意する、作業工程を細分化してできそうな仕事を切り出す、様子を見ながら作業レベルを上げるといった配慮をされていました。体験をやり遂げ、成長していってほしいという想いが強く感じられました。

体験者の方から受ける印象を伺ったところ、礼儀正しく真面目で、前向きに取り組んでくれるとのことでした。そして、体験者の前向きな姿勢が、社員のモチベーション向上等、プラスの影響を与えてくれているとのお話もありました。

最後に、就労支援に関して企業の協力を得るためには何が必要と感じるかを伺ったところ、就労支援への協力が社会的に評価されるような仕組みがあれば、協力企業も増えるのではないかというご意見をいただきました。

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今回のヒアリングを通して、まず中部工業さんのような素晴らしい取組みをされている企業が三重県にあることを大変うれしく思いました。と同時に、こうした企業の取組みに対し、もっとスポットライトが当たるような社会になってほしいと感じました。

また、プロジェクトとして、新たな就労支援の仕組みに企業の協力をお願いするためには、企業側のメリットも考えていく必要があるということも改めて感じました。
たとえば全国では、CSR推進企業に対する認定制度等を導入し、企業がCSR活動に取り組むメリットを生み出している自治体も出てきています。
そうした先進事例等を参考にしながら、よりよい仕組みについて検討を続けていきたいと思います。

(主任研究員 佐々木・栗田)