三重県内の情報

当センターの副理事長でもある三重大学副学長・人文学部教授の児玉克哉氏がインドの平和団体から非暴力国際平和賞を受けることになりました。

この賞は、インドの非暴力国際協会が武力に頼らずに平和を目指す人々を対象に選考されるもので、日本人としては創価学会の池田大作名誉会長に続き二人目となります。過去には、元国連事務総長のデクエヤル氏も受賞しており、大変名誉ある賞です。

受賞理由としては・・・

1 平和研究、非暴力研究の分野において優れた功績があること

2 実際に国際平和研究学会の事務局長などの役職を歴任し、世界の平和研究の中心的研究者であること

3 ユネスコや国際社会科学評議会の平和教育プログラムに貢献し、平和教育分野での教育DVDなどの出版を行ってきたこと

4    ヒロシマ・ナガサキプロセスの提唱者・推進者であり、非暴力の発想と行動で世界を変革しようとしていること

5 広島の被爆者研究での業績がすぐれていること

授賞式は、6月14日インドのニューデリーにて開かれ、インド大統領から授与される予定です。
児玉克哉教授

機関紙「地方自治みえ」

 『地方自治みえ』第237号(2012年3月)を発行しました。会員の皆さまには発送しています。

 今月号の内容は次のとおりです。

p1-3. 2012年度の地方財政の諸課題(前編) (地方自治総合研究所 飛田博史)

 今年1月末に閣議決定された2012年度の地方財政の見通し(地方財政計画)、子どものための手当を取り上げ、地方財政から見た現状と課題を解説し、そこに内在する共通課題を明らかにします。

P3. 「職場のメンタルヘルス対策」活動報告

 今年度の「職場のメンタルヘルス対策」の活動として『個別相談会』を開催しました。

P4. 報告 歩くまちづくり講座

 昨年2月に開催しました「三重まちづくりフォーラム」を踏まえて、今年度は現場を訪ねる「歩くまちづくり講座」を、亀山市・鳥羽市・熊野市の3ヶ所で実施しました。(特別研究員 竹峰誠一郎)

p4. 退任のご挨拶(主任研究員 土屋潤・小林久晃)

地方自治みえ237号

セミナー 講演会 シンポジウム,その他

3月26日(月)、三重地方自治労働文化センターにおいて、「三重県市町村合併検証シンポジウム」を開催しました。当センターでは昨年度より2年間に亘り「市町村合併検証研究会」を設置してアンケート調査を行い、合併後の総合政策や公共サービスなどについて議論を重ねてきました。その研究報告を兼ねて行いました。

                                                                                    基調提起では、「合併検証の意義」をテーマに四日市大学総合政策学部准教授の小林慶太郎氏が以下の3点を中心に講演されました。要点は以下の3点です。①検証の「タイミング」については、合併前や合併当時の記録や資料が既になくなってきている。時が経つとさらに検証がしづらくなる。皆さんの記憶にあるうちに合併について再構成しないと分からなくなってしまう。②検証研究会の「立場」は、基本的には市町職員が中心だが、所属や市町を代表という立場ではなくニュートラルな立場で行った。総務省や県の立場での検証はあったが、住民や職員の立場での検証は十分されてこなかった。③合併前に言われていたメリット・デメリットが合併後どうなったのか、チェックしていかなければいけない。研究会では合併のせいでと言われていることの多くは必ずしも合併のせいではないということが見えてきた。「本当に合併の影響なのか」を切り分ける作業をしなければいけないので、合併したところと合併しなかったところの比較をした。合併をしなかった市町への影響も見てきた。                                                                                                                                                シンポジウムでは、コーディネーターには引き続き小林先生、パネリストには松家孝司氏(小俣まちづくり協議会会長)、北岡孝裕氏(市町村合併検証研究会メンバー・伊勢市商工労政課職員)、水口拓氏(同メンバー・熊野市市長公室職員)、金丸直志(同メンバー・鈴鹿市企画課職員)、土屋潤氏(同メンバー・三重県地方自治研究センター主任研究員) により①サービスと料金の動向、②行財政の効率化、③行政と住民の関係、④広域化に伴う地域自治組織の可能性や必要性について議論されました。

伊勢市の北岡氏からは、中学校給食の旧町村以外への拡充と災害時の小学校給食の自校方式の必要性や、国の集中改革プランにより人員削減が行われたが権限委譲による事務量の増加などにより職員に負担を強いる結果となったという意見がありました。

熊野市の水口氏からは、合併してできるようになった事業として紀和町ふるさと公社の紹介や、住民との関わりでは職員のコミュニティー能力向上のためのコーチング研修と職員が全員参加する地域自治組織への取り組みついての意見がありました。

鈴鹿市の金丸氏からは、近隣合併市町のサービス向上による中学校給食のデリバリー方式のランチサービスの実施と医療費助成の拡充などの必要や、合併していない自治体でも職員が減っており出張所などでは休みが取りにくいという意見がありました。

小俣まちづくり協議会会長の松家氏からは、元県職員として合併に携わったおりに合併前に言われていたことが現在どうなっているかや、地域自治組織の可能性や必要性について住民の目線からしっかりとした制度の担保や支援体制が必要という意見がありました。

小林先生のまとめでは、合併市町はスケールメリットを活かしたサービス拡充もあった一方で、なかなか施設の統廃合や事業の見直しは進んでおらず、職員の減少だけが進み職員の負担も増えている。合併前の「サービスは高く負担は低く」といった調整方針にも問題があったが、合併をしなかった市町においても同じような課題がでてきており、住民の皆さんが地域のことは自分たちで解決していくような仕組みづくりもこれから必要なのではないか、行政も方針を定めそれを支援していくことが必要なのではないかということでした。