理事長あいさつ
三重県地方自治研究センター 理事長 田中 俊行
地方自治体のサポーターとして
この度、三重県地方自治研究センターの理事長に就任させていただくこととなりました。現在、日本は、少子高齢化社会にあって、各自治体には、教育・医療・福祉・産業・環境・防災・文化・スポーツ・交通・行革等々、実に多様で難しい課題が山積しております。
当センターとしては、住民自治や地域主権を基本理念としつつ、様々な地域課題について調査・研究し、解決へと導く政策や施策の立案・提言、あるいは情報発信につなげていきたいと考えております。
さて、私は、三重県議や四日市市長を務めさせていただいたことから、その経験を生かした取り組みも実践していきたいと考えております。例えば、市長就任の際のマニフェストには、「みんなが誇りを持てるまち、四日市」を目指すべき都市像として掲げました。ご承知のとおり、全国的には、四日市公害のイメージがまだまだ色濃く残っております。それだけに、如何にしてその都市イメージを脱却し、市民が胸を張って誇れるまちにしていくかという命題が強く念頭にあり、「経済と環境を両立させる都市」・「元気な産業と魅力ある文化のまち」を創造し、発信することに重点的に取り組んでまいりました。
おそらく、各自治体におかれても、四日市市のような長年にわたる負のイメージこそないものの、中長期的なビジョンに基づき、住みたい、住み続けたいまちを目指して、その活力や魅力を高めるための政策や施策に知恵を絞っておられることと思います。その意味で、住民の皆様が誇りを持てるまちづくりは、自治体共通のテーマではないでしょうか。そうした方向性を持った政策提言や情報発信にも、積極的にチャレンジしていきたいと思います。そもそも、自治体の仕事というのは、今述べたような、少子高齢化社会を見据えつつ、如何にして魅力的で活力あるまちづくりを実践し、人口流出を防いでいくかという視点と、如何にして公共サービスを効率化し、その維持向上を図っていくかという視点に大別されると考えます。従って、住民への公共サービスを充実し、豊かな地域社会を実現していくという取り組みも忘れてはなりません。
厳しい財政状況の中で、この二つの視点を大切にしながら、有能かつ情熱を持った人材を育成し、行政を前進させていく県内自治体の皆様のサポート役を担っていきたいと考えております。少しでも皆様のお役に立てるよう全力で取り組んでまいりますので、どうかご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
2020年6月吉日