三重県内の情報

 4月5日(木)に八王子自治研究センターの方々と共に三重県総合博物館(MieMu)を視察しました。
 当博物館は公文書館機能と一体化した運用がなされている珍しい施設となっており、歴史資料として重要な公文書の保存、調査研究を行っており、これらの資料を閲覧することもできます。
 ご担当の方より、歴史的公文書の評価選別、移管、および保存に関する貴重なお話をお聞きし、資料の収蔵に至るまでの様々な過程を勉強するとともに、歴史的資料を保存する意義についても考えることができる時間となりました。
 
 一住民として自分の住むまちの歴史を学ぶばかりでなく、行政としても、防災計画を立てる際に土地利用の変遷を把握するための貴重な資料として活用できる等、その存在意義は非常に大きく、今後、各自治体においても公文書館が整備されることが望まれるところです。
                               (主任研究員 林)

 

その他

2018年3月22日(木)「平成29年度第4回 4サポステ会議」に参加しました。

三重県には4地域に「地域若者サポートステーション(通称サポステ)」が存在します。この会議は、その4つのサポステが意見交換を行う貴重な場となっています。

当センターからは、2016年2月に設置した「就労困難者の雇用創出プロジェクト」(座長:埼玉大学 石阪督規 教授)での調査報告をさせていただきました。
 若者の就労については引き続き支援が必要であり、今回の報告がその一助となれば幸いです。

会員の皆さまには、改めて調査報告書を郵送いたします。

ところで、今回の会場は「おやきカフェ Sprout(スプラウト)」で行われました。
ここは、就労に悩む若者のトレーニングカフェとして運営されています。ぜひ一度足を運んでいただければと思います。

(主任研究員 栗田)

その他,各種報告書

『フューチャーセンターの社会実装に関する研究 報告書』を発刊しました。

当センターでは、多様性に配慮し、三者による共同研究会議を設置し、研究活動を行ってまいりました。
この度、多くの方々のご協力のもと、報告書を発刊することができました。ご一読いただければ幸いです。

フューチャーセンターの社会実装に関する研究 報告書

■共同研究会義
・皇學館大学 教育開発センター 助教 池山 敦 様 (座長)
・特定非営利活動法人Mブリッジ 代表理事 米山 哲司 様
・三重県地方自治研究センター

■研究会
・三重テレビ放送株式会社 取締役副社長 真伏 秀樹 様
・株式会社百五銀行 経営企画部 働き方改革推進室 室長 津田 真寿美 様
・井村屋株式会社内部統制・BCP室 課長 高木 俊雄 様
・三重交通株式会社 人事部労務課 主事 多喜 智哉 様
・三重県戦略企画部企画課 課長 安井 晃 様
・三重県教育文化研究所 所長 西井 達子 様

(2018年3月現在)

「フューチャーセンター」とは何か?なぜ必要か?簡単に説明するのは少し難しいです。報告内容をまとめた『リーフレット』も参考にしていただければと思います。
さて、「群盲象を評す」というインドの発祥の寓話はご存知でしょうか?

出典: ジョン・ゴドフリー・サックス 1872年 『The Blind Men and the Elephant』

アメリカの詩人ジョン・ゴドフリー・サックスが1872年に発表した詩 “The Blind Men and the Elephant"(『盲人たちと象』) に描かれた挿絵です。
盲目の男たちが、象のそれぞれが異なる部位を触ったところ、象が壁、蛇、樹、扇、ロープのようであると主張し、意見が対立しました。
一人ひとりの意見は間違っていませんが、多様な視点からの意見や知恵を共有しなければ全体像は把握できないのです。複雑化し、予測困難な現代の社会課題を把握する作業と似ています。

フューチャーセンターは全国で確実に広がり始めています。
何度もお伝えしているとおり、現在の社会課題は複雑化し、さらに新たな課題を突き付けてきます。現状維持、前例踏襲の考え方は、非常に危険です。
私たちは、多様なステークホルダーの創造的な対話により、知的弾力性を紡ぎ出す必要があると考えています。そして、多様な主体が対話による価値を創造する場こそ「フューチャーセンター」なのです。
私たちの願いは、フューチャーセンターが社会に役立つものとして、誰もが未来を語れる場として、三重県に根付く事です。未来に向かって新たな行動を起こす時です。
企業やNPO、地域に活力があるうちに、地域を持続するための新たな仕組みを模索頂きたいと思います。

最後になりましたが、本研究にあたっては池山座長をはじめ、研究員の皆様に大変お世話になりました。「フューチャーセンター」という聞きなれない仕組みであったにもかかわらず、貴重なお時間を頂き、熱心にご議論いただきました。この研究会そのものが、フューチャーセンターの要素を持つものでした。
また、玉城町総合戦略課、鳥羽市議会の皆さまをはじめ、実に多くの方々にもご協力を頂きました。すべての皆様に感謝申し上げます。

ありがとうございました。

主任研究員 栗田 英俊