活動方針

2025年6月12日

活動方針

(抜粋)

1 基本指針と主要な活動
 三重県地方自治研究センターは、地方自治に関する総合的な調査・研究と自治体政策の提起・提言を行うとともに、関係機関などとの共催・共同事業を展開し、地方自治の確立と発展のために活動します。

(1)地方自治に関する実践的・理論的な調査・研究を行います

(2)自治体政策の積極的な立案・提言を行います

(3)地方自治を専門とする研究者や大学との交流及び共同研究を行います

(4)住民自治や地域主権の確立と発展に向けた活動を行います

(5)その他、地方自治及び自治体職員に関する事業を行います

2 主な調査研究課題
 2025年度は、自治体における行政運営の変容と政策について主に次の調査研究事業を中心に取り組んでまいります。

(1)自治体DX

 人口減少が加速する今般、地方公共団体においても今後の行政資源の制約を勘案すると、生成AIの活用、RPAの導入などのデジタル技術を最大限活用し、職員をより付加価値の高い業務に集中できる体制、組織づくりを推進する必要があります。
 そこでデジタル人材の登用・育成やオープンデータ・ビッグデータを利用した民間事業者との連携など、業務の効率化や住民の利便性の向上につながるデジタル技術やそれを活用できる組織づくりなどについて調査研究を行います。

(2)防災・減災及び国土強靭化

 2024年1月に発生した能登半島地震は、石川県を中心とした日本海沿岸の広域に火災、土砂災害、海底隆起等を伴う甚大な被害を及ぼし、元日で帰省した地域滞在者の増加や冬の降雪地帯での発生、半島という地形に起因する交通網の破断など複数の条件が重なったことで被害が拡大したうえに、9月に発生した豪雨災害も伴い、復旧・復興に相当な時間を要しています。
 このような大規模災害や複数の災害が同時発生した際の対応、地域や時季特有の災害に対する防災・減災及び復旧・復興、有事に備えたライフライン・交通網などの強靭化について調査研究を行います。

(3)地方活性化及び交流の拡大

 2024年4月、「人口戦略会議」が人口から見た全国の自治体の「持続可能性」について分析結果を公表しました。 
 三重県においては、ほぼすべての自治体において自然減対策、社会減対策、またはその両方の対策が必要とされています。
 今後の持続可能な地域社会の形成においては、人口減少を緩和させる施策とともに人口減少に適応していく施策が重要と考えられます。国が謳う地域創生の原点である「地域が自主性と責任を持って地域づくりを自ら考え、自ら実践していく」ために、地域と多様に関わる関係人口の増加、地域の個性を活かした地域活性化などの施策について調査研究を行います。

(4)多文化共生

 政府が公表した2024年末の在留外国人数は、前年比10.5%増の約377万人で過去最高を更新し、今後も増加が続くと予想されます。
 また、訪日外国人数も新型コロナウイルス感染症の影響により一時激減しましたが、2025年1月には過去最多の数値を記録し、2025年度においてもこの増加傾向は続くと予想されます。
 少子高齢化が進む日本国内において各自治体でも外国人住民や来訪者の影響は今後益々拡大していくものと考えられ、異なる文化圏の人々を住民が理解し、相互に受け容れる必要があるため、その方針や施策について調査研究を行います。

(5)人材育成と確保

 今後、若年労働力の絶対量が不足し、経営資源を大きく制約することが想定される中、複雑・多様化する行政課題に対応する上で、自治体における人材育成・確保の重要性は従前にも増して高まっています。
 自治体において最重要な基盤となる人材について、技能・知識の向上や地域特性に合わせた育成と確保のための方針・施策に関する調査研究を行います。

(6)政策立案・政策評価

 近年、自治体では新型コロナウイルス感染症、南海トラフに起因する大規模地震など、行政が直面する課題に対応する施策を矢継ぎ早に執行する必要に迫られました。また、ビッグデータやオープンデータなどの公表や活用、根拠に基づく政策立案(EBPM)の促進、SNS等を利用した住民からの意見聴取など、政策立案の手法についても多様化しています。
 地方自治を公正に運営する上では多様化する政策を正しく評価し、その中で浮かび上がった課題や問題点を継続的に改善する必要があると考えられることから、有用な政策立案の手法、それらを適正かつ継続的に評価する手順について調査研究を行います。

3 講演、情報提供活動の実施
(1)必要な課題、研究テーマについて、講演会やシンポジウムを定期的に実施します。
(2)団体会員や個人会員などの要請を受けて、地方自治総合研究所研究員や当センター研究員等を派遣する「出前研修」を行います。
(3)市、町、自治労各単組、団体会員、個人会員等を対象に月1回、機関紙「地方自治みえ」を発刊し、当センターの調査・研究活動、地方自治に関する情報や先進的な取組事例などを伝えていきます。
(4)ホームページや電子メールを活用した情報発信に努めます。研究活動の状況機関紙「地方自治みえ」の公開などを通し、当センターの活動を発信するとともに、ニーズに応じたタイムリーな情報発信を積極的に行います。
(5)新聞等マスコミへ開催講座や研修会等の情報提供を行います。
(6)自治体からの職員派遣を受け、行政課題の調査研究等を通じて、政策形成能力の向上など、人材育成を図ります。

Posted by jichiken_mie