公共交通

 2024年5月27日に群馬県前橋市へのオンラインヒアリングを実施しました。ヒアリングでは、「前橋市の地域交通再生の取組み」と題して、前橋市の公共交通における特徴として、運転免許の保有の有無による外出率の状況や交通分担率、交通事業者の状況、地域課題、まちづくりの現状。また、公共交通に関する取組みとして、まちなかにおけるバス共同経営の取組みやインフォメーション改善、データ活用、MaaSの取組み、自動運転技術の導入といった内容についてお話いただきました。

 今回ヒアリングを実施して、複数のバス事業者の共同経営による等間隔運行やデータ活用による各路線の見直しや再編への活用、運転手不足対策としての自動運転技術の導入のための実証実験といった公共交通の利便性の向上。また、インフォメーションの改善による市民がバスの行き先がわかりやすく利用しやすい環境を整えることや、MaaS事業の取組みにおける前橋市民割引や若者運賃無料デーといったサービスによりバス等の利用のきっかけをつくるといった前橋市の様々な取り組みは、公共交通の利用促進につながると考えられます。

今回のオンラインヒアリング視察で得られた知見等を活かして、これからの研究活動に繋げていきたいと思います。
ご協力をいただきました前橋市の職員の皆様、お忙しいところご対応をいただき誠にありがとうございました。

オンラインヒアリングの様子

地方創生臨時交付金,研究活動,各種報告書

 

 昨年度に引き続き、自治体財政に関する調査研究として「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(以下「臨時交付金」)」制度について調査を行いました。
 臨時交付金は、2020年度に創設され、コロナ禍により疲弊した事業者支援や感染防止対策など、様々な対応に追われる自治体財政を支援するためのもので、過去に例を見ない規模の支出がされてきました。この臨時交付金は、原則、として地方自治体が自由に活用することができる一方で、会計検査院の会計検査において、その使途に関して指摘された自治体も多く、その事業内容等について昨年度調査研究を行ったところです。

 しかし、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことや、昨年6月にまとめられた「経済財政運営と改革の基本方針」 では、「新型コロナウイルス感染症の感染症法における位置付けの変更を踏まえて、地方財政の歳出構造について平時に戻す。感染症対応として実施された地方創生臨時交付金について、内容の見える化を徹底の上、その効果・効率性についての検証作業を将来の危機対応にいかすことも見据えて行う」との記載が盛り込まれたことなど、縮減や廃止を求める意見がある一方で、更なる拡充を求める声も存在することから、臨時交付金の継続性を考慮し、地方財政の在り方や国と地方財政の負担バランスなどについて、昨年度に引き続き公益財団法人地方自治総合研究所研究員 其田茂樹様の御協力のもと調査研究を進めました。

 このたび、調査研究の内容を取りまとめた報告書を発行しました。会員の皆様には4月末ごろに順次発送させていただきます。

-報告書目次-

 はじめに

 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の制度概要

 臨時交付金の実施計画の分析

 臨時交付金の目的と在り方

 特別寄稿「地方創生臨時交付金が国と地方の関係に投げかけるもの」 

     公益財団法人地方自治総合研究所研究員 其田 茂樹 様

 おわりに

公共交通

 三重県地方自治研究センターでは、この度「公共交通の利用促進に関する研究会」を設置しました。
 本研究会では、皇學館大学 現代日本社会学部教授 笠原正嗣様を座長に迎え、研究会メンバー(伊勢市、松阪市、名張市、亀山市、志摩市、伊賀市、東員町、大台町、度会町)と、公共交通の利便性の向上を図るための知識や手法について理解を深めることを目的に研究を進めていきます。
 第1回研究会(8月8日開催)では、「経済財政運営と改革の基本方針2023」を基に国の公共交通に関する方針を共有し、その後各市町と自治体の現状等について議論を行いました。
 今後は、今回の議論等を踏まえて引き続き研究活動に取り組んでいきたいと思います。