セミナー 講演会 シンポジウム,その他

2018年1月19日(金)「公契約条例制定をめざす推進協議会」主催の「公契約条例に関する学習会 ―先進市に学ぶ公契約条例―」に参加しました。三重県内での公契約条例は、四日市市公契約条例(平成26年10月6日)に続き、津市が制定をめざしています。

講師の多摩市役所総務部総務契約課 森課長から制定までの歩みと概要についてお話しいただきました。
まず、公契約条例の意義は賃金など労働環境を確保することで、『労働者の生活と安全』『事業者の適正な競争による経営の安定』『市民の安全かつ良質なサービスの享受』を守ることにあります。
多摩市では2010年に調査検討委員会を副市長、部長級で構成し、検討部会には労働組合からも参加しており、労使連携が図られていました。外部に審査委員会を設置し、弁護士や労働者団体、事業者代表が参加しています。
2016年のアンケート調査で、事業者の「公契約条例に対する理解度」は95%であり、「適正な労働条件の確保・労働者の生活の安定に結びつく成果」に「成果があった」「今後あると考える」との回答が67%でした。
多摩市職員全員が公契約条例の意義について理解し、事業主が担当課と意見交換する機会を持ち、外部からの参加者で審査委員会を設置していることで、住民を含めた自治体全体で意識を高めていったことが、良い条例の制定に繋がっていると思います。

「多様性のある対話」から始め、全員で考えていくことが必要であり、政策立案までの過程が評価される自治体であってほしいと思います。
そして、自治体が「対話」を望むとき、フューチャーセンターのような仕組みはやはり必要なのだと感じます。

(主任研究員 栗田)

セミナー 講演会 シンポジウム,空き家問題

2018年1月30日(火)に、「第2回 空き家対策シンポジウム~空き家の現状と課題・今後進むべき方向性~」を開催いたします。

近年、空き家問題については、各自治体において条例を制定し、対策計画を策定して、危険な空き家等の除却、解体や修繕に対する補助事業、利活用にむけての空き家バンク制度の整備など、地域に応じた対策が進められてきています。
今回、空き家管理や相談会で空き家所有者等の生の声等を直に把握する事業者や団体と、民間事業者等と連携して空き家対策に取り組んでいる自治体から取り組み状況を報告いただき、四日市大学総合政策学部の岩崎恭典教授を交えて、現状と課題、今後進むべき方向性等をそれぞれの立場から議論していただくシンポジウムを下記のとおり開催いたします。
ご多忙の中とは思いますが、是非ご参加くださいますようご案内いたします。

●日 時 : 2018年1月30日(火) 13:00~16:30(受付 12:30~)
●場 所 : 三重地方自治労働文化センター 4階大会議室(津市栄町2丁目361番地)
●パネルディスカッション : 
  講師・コーディネーター
   岩崎 恭典 氏(四日市大学総合政策学部教授)
  パネリスト
   青木 登喜雄 氏(公益社団法人 三重県宅地建物取引業協会 副会長)
   野田 耕治 氏(有限会社 ユニバーサル・ツアー 管理事業部 代表取締役) 
   西浦 正人 氏(名張市都市整備部営繕住宅室 空き家対策担当室長)
●対象者 : 自治体担当職員、三重県地方自治研究センター会員 等
●参加料 : 無料
●主 催 : 三重県地方自治研究センター

空き家対策シンポジウム チラシ・参加申込書

(主任研究員 大川)

セミナー 講演会 シンポジウム

2018年1月15日(月) 「2017年度三重県地方自治研究センター 働き方改革講演会」を開催いたしました。
はじめに、当センター理事長 岡本博より挨拶をさせていただきました。
「ブータンという国には、『皆が幸せであることを祈ること』が自分の幸せであると答える人がいます。決して豊かな国ではないのです。幸せとは、人の考え方によります。働き方改革は働く事と自分の生活、何を大切にするのか、考え方、バランスだと思います。働き方が変わっていく事で、自分の生活も豊かに変わるのだと思うのです。」

その後、自治労三重県本部 原田書長から労働組合の立場から働き方改革についてお話しいただきました。

「労働組合は、業務の効率化やノー残業デイの設定など、労働時間の縮減に向けて取り組みを行ってきました。2015年に電通の職員が過労死の認定を受けた事件を契機に、社会全体で働き方改革を進める必要性が意識され始めたと思います。2017年、政府は「働き方改革実行計画」を策定しました。今出ている働き方改革の制度をみていると、『労働者のための働き方改革』ではなく、『経営者のための働かせ方改革』になっているのではないかと感じています。今日のお話を聴いて、本当に働く人のための改革となるよう、それぞれの立場で取り組んでいただければと思います。」

講師
・柴田 佐織 氏(株式会社エムワン 人事部課長、株式会社CREA 代表取締役)
・米山 哲司 氏(特定非営利活動法人Mブリッジ 代表理事)
参加者
・39名

柴田さんからは、中小企業の経営戦略としての働き方改革についてご講話頂きました。ご自身が取り組んだ業務改善について。その苦労や報われた経験などお話しいただきました。
アンケート調査や社員との対話から、部下が意見を言わない訳を「言っても無駄」「常に否定されると思うから」だと感じたそうです。そこで対話を行い、「助けてと言える風土」「気兼ねなく休みを取得できる風土」を目指しました。共有と共感の場創りが必要でした。
働き方改革が上手くいったコツを、対話から信頼関係を築くことができ、幸せな職員が増えることで改革が加速したことを示してくれました。
 最後に、理想の働き方の実現には、相互理解とコミュニケーションが不可欠であり、社員との対話を重視することが近道であるとまとめがありました。

米山さんからは、行政職員として働き方改革をどうとらえるか、という視点からご講話頂きました。
「働き方(ワークキャリア)」には「売り手よし・買い手よし・世間よし」の三方よしの考え方が必要です。「儲からないからしなくていい」と考え、「世間よし」(CSR)の心を置き去りにすると、大切なものが置き去りになるのではないかと感じているそうです。
「暮らし方(ライフキャリア)」は「社会・家族・自分」であるとすると、課題解決(社会)と自己実現(自分)が結びつくことで、もっとまちは元気になって人材育成にも繋がるのではないか。課題解決は、ソーシャルビジネスや市民活動など、郷土愛である。ワークの質はライフの質からであり、「自分」を置き去りにしてはいけないと。
さて、米山さんからの問いかけです。「嫌な気持になった時を思い出してください」。それは「コミュニケーションが原因ではないですか?」 
職場の改革に、もう少し丁寧なコミュニケーションの必要性を指摘し、講話を締めていただきました。