設立アピール
三重県地方自治研究センター設立にあたって
アピール
一九八二年八月七日
一九四七年五月三日、平和・民主主義・人権尊重を基本理念とする平和憲法が施行されました。天皇主権から国民主権へ、そして明治憲法にはなかった、民主主義の根幹をなす「地方自治」の条項が、はじめて憲法に明記され、それに基づいて同時に地方自治法が制定されたのでありました。
それから三〇余年、その間、憲法は次第に空洞化、形骸化がすすめられ、今や改憲論が国内外でまかりとおる事態に至っています。同じく地方自治法も改悪を重ね中央集権の色ありをますます濃くし、今また財政再建に名をかりた中央集権化が一層強められようとしています。
八〇年代「地方の時代」をむかえ、参加・分権・自治の憲法にいう「地方自治の本旨」を今こそ実現化することが求められています。つまり主権者としての住民の自治を基本にすえた自治体政策が必要となっていると考えます。
そのためには、一人ひとりが自治体の現状を認識し、その問題点を探り、真の地方自治の在り方を追求していかなければなりません。これらのことを実践していくために、本日ここに三重県地方自治研究センターの設立を見ました。
このセンターは、三重県における自治体行政資料センターの役割をはたすとともに、自治体行財政に関する調査・研究をすすめながら、民主的自治体行政を確立するための政策研究、提言を行い、あわせて自治意識向上のための活動を展開しようとするものであります。
ここに三重県地方自治研究センター設立の趣旨と意義をひろく訴え共賛を得たいと思うところです。
三重県地方自治研究センター設立総会