機関紙「地方自治みえ」

『地方自治みえ』第345号(2021年3月)を発行しました。
会員の皆さまには発送しています。

【今月号の内容】
行政手続法を学ぶ重要性について
三重県地方自治研究センター 主任研究員 小林 剛志

地域ブランド,各種報告書

 当センターでは、2019年9月に県内の自治体職員で構成する「地域ブランド化の取組研究会」を設立し、地方自治体の地域ブランド化の目的・課題を再確認し、地域ブランド化を進めるための取組みの方法を研究してきました。

座長      :皇學館大学教育開発センター准教授 池山 敦 氏
研究アドバイザー:三重大学教育学部教授 萩原 克幸 氏
研究会参加自治体:鈴鹿市、亀山市、津市、松阪市 ※緯度順

 研究会では、三重のお茶のブランド化をテーマに市場調査・データ分析・議論・モデル事業等を行いました。このたび、活動の内容を取りまとめた報告書を発行しました。会員の皆様には近日発送予定です。

地域ブランド化の取組研究会報告書~三重のお茶のブランド力向上をめざして~

目次
はじめに
1.研究の目的
2.研究会の進め方
3.研究会の構成
4.座長・アドバイザーのプロフィール
5.研究会の活動内容
6.地域ブランドとは
7.政策体系と課題の設定
8.他地域でのブランド化事例について
9.地域ブランド化推進セミナー
10.マーケティング戦略について
11.政策について
12.モデル事業企画
13.アンケート実施とデータ分析
14.コロナ禍における再企画
15.モデル事業実施
16.まとめ
研究アドバイザーの解説~地域振興におけるデータ分析の活用について~
おわりに
別添1 アンケート内容
別添2 アンケートデータ集計結果

地域共生社会,各種報告書

 地域共生社会とは、制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係をこえて、地域住民や地域の多様な主体が『我が事』として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて『丸ごと』つながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会のことです。この地域共生社会の実現を目指して、令和3年4月に改正社会福祉法が施行されます。今後、地方自治体には、包括的な支援体制整備や分野を越える連携施策の実行などが求められることになります。
 2020年度、当センターは、地方自治体の地域共生社会政策について三重県社会福祉協議会と共同で研究を進めて参りました。本研究では、自治体職員における福祉教育の視点からアプローチを行いました。
 このたび、これまで活動を取りまとめ、内容について報告書として発行致しました。会員の皆さまには近日発送予定です。

地域共生社会政策研究報告書~地方自治体における福祉教育の課題と実践~

目次
第1章 地域共生社会と政策
 第1節 地域共生社会とは
  第1項 地域共生社会政策の経緯
  第2項 「地域共生社会」の実現に向けて(当面の改革工程)
  第3項 地域共生社会推進検討会最終とりまとめ
 第2節 地域共生社会と社会福祉法
  第1項 社会福祉法の目的
  第2項 平成30年4月施行・改正社会福祉法
  第3項 地域共生社会への懸念とその自治体政策の在り方
 第3節 重層的支援体制整備事業と地方自治体政策
  第1項 令和3年4月施行・改正社会福祉法
  第2項 縦割りの克服を見据えたアプローチとは

第2章 地域共生社会と福祉教育
 第1節 福祉教育についてのアンケート
  第1項 アンケート実地の経緯
  第2項 アンケート内容とその集計結果
  第3項 アンケートの気づき・考察
 第2節 福祉教育推進方法の研究経過
  第1項 セミナー「地域共生社会における連携を考える」の実施
  第2項 専門職連携と対話的教育
  第3項 職員自身の手作りによる研修
 第3節 クイズを利用した福祉研修の作成と実施
  第1項 福祉クイズ研修モデルの考案
  第2項 福祉クイズ作成
  第3項 福祉クイズ研修の実施
  第4項 まとめ


研究報告書によせて
おわりに


 

地域ブランド

 地域ブランド化の取組研究会では、全国の消費者webアンケートを基に企画したモデル事業「三重のお茶PRに使える画像作成」を行いました。
 以下、三重のお茶、県内市町のお茶のPRに利用できるピクトグラム画像を紹介します。

三重の市町PR用 お茶ピクトグラム

当センターの会員であれば自由に利用できます。利用規定を守って使用してください。

ご利用規定
三重のお茶、三重県内市町のお茶のPRの目的であれば、規定の範囲内でご利用できます。
画像の著作権は放棄しておりません。全ての素材の著作権は三重県地方自治研究センターが所有します。
当サイトのイラストは以下の場合、ご利用をお断りします。
・公序良俗に反する目的での利用
・素材のイメージを損なうような攻撃的・差別的・性的・過激な利用
・反社会的勢力や違法行為に関わる利用
・データの商標登録・意匠登録
・素材自体をコンテンツ・商品として再配布・販売
・その他著作者が不適切と判断した場合

その他
素材を利用することによって発生したトラブルについては一切責任を負いかねます。
全ての規約は予告無く改変する場合があります。予めご了承下さい。

セミナー 講演会 シンポジウム

 地方分権の視点から地方財政に関する能力を高め、地方財政の健全化と地方分権の達成に資することを目的として、自治労三重県本部との共催で行う本セミナーですが、2021年2月24日(水)に開催した第3回目は、前回に引き続き公益財団法人地方自治総合研究所 研究員 飛田 博史 氏をお迎えして、「地方交付税制度の仕組みと課題」という内容でのご講義をいただきました。当日は、新型コロナウイルス感染症の全国的な感染状況を考慮して、第1回目、第2回目と同様にオンライン上でご講義いただく方式で開催致しました。

 飛田氏からは、地方交付税制度の概要として、交付税制度の役割と理念や交付税算定の仕組みのほか、地方交付税の総額決定に関わる国の地方財政計画の概要と動向、地方交付税制度を巡るこれまでの政策について、ご説明とご考察をいただきました。
 また、最後に現状の地方交付税制度の課題やコロナ禍で浮き彫りになった日本の社会保障制度の脆弱性に触れられ、今後の展望として、制度の原点に立ち返った新たな標準的行政経費の追求や、国と地方の協議の場の積極的な活用等が必要であるとご提言いただきました。
 なお、飛田氏には、当セミナーの第4回にもご講義いただく予定です。

文化政策

 2021年2月17日(水)に、「文化政策における参加・協働の在り方に関する研究会」の事例調査研究の一環として、青森県八戸市へのオンライン上でのヒアリング視察を実施しました。八戸市は、文化芸術によるまちづくりの方針のもと、これまで様々な取組を進められています。今回、その取組の中心にいらっしゃる八戸市まちづくり文化スポーツ部の皆様に、取組の内容や今後の展望等についてお話いただきました。

 まちづくり文化推進室 文化推進グループリーダーの榊原 由季 様からは、八戸市の文化政策と取組として、市民の文化活動が幅広い分野へ展開していることから、当初は教育委員会の所管であった文化振興を担う部署を市長部局へ所管換えしたこと、文化芸術推進のために専門職員を採用していること、市民の多種多様で特色ある文化を「多文化」と定義して、「多文化都市八戸の推進」を掲げて取組を行っていること、市中心街に「八戸ポータルミュージアムはっち」「八戸ブックセンター」「八戸まちなか広場マチニワ」等の様々な文化施設を整備し、更に新たに美術館を開館する予定であること等、アートのまちづくりを一層充実させていくためのこれまでとこれからの様々な方針や施策をご説明いただきました。
 八戸ブックセンター 所長の音喜多 信嗣 様からは、八戸ブックセンターの取組についてご説明いただきました。本を活用したまちづくりという観点で「本のまち八戸」の拠点施設として整備された施設で、本を販売している公共施設としては全国で唯一であるそうです。探しやすい棚づくりではなく本との偶然の出会いを作りたいという方針のもと、様々なテーマを持った棚を設定して一般的な分類にとらわれない陳列方法や、読書の面白さを感じてもらうために環境に工夫を凝らした「読書席」、執筆をしたい人のための専用作業スペース「カンヅメブース」等の斬新な発想の施設機能等をご紹介いただきました。
 八戸ポータルミュージアム「はっち」館長の北村 政則 様からは、八戸ポータルミュージアムの取組についてご説明いただきました。当初は山車会館を中心とした地域観光交流施設として検討されていましたが、現在の市長就任後に大きく方針転換し、中心市街地の中核施設として、市民交流、観光PR、各種イベント開催に対応できる複合的な文化施設として構想が進められ、現在の「はっち」の建設に至ったそうです。新たな交流と創造の拠点として積極的に事業を企画・実施しており、地元の祭の八戸三社大祭で使われる山車の造形力という地域資源に光を当てるアートプロジェクト「はっちプロジェクトDASHIJIN」等の様々な取組をご紹介いただきました。
 新美術館建設推進室 学芸員の大澤 苑美 様からは、これまでにご自身が手掛けられてきたアートプロジェクトの事例として、「南郷アートプロジェクト」「八戸工場大学」の取組についてご説明いただきました。「南郷アートプロジェクト」は、合併して八戸市となった南郷という地区を舞台にしたアートプロジェクトで、合併に関わる行政課題と向き合いながら、外部アーティストと地元の伝統芸能とのコラボレーション舞台や地域の歴史に関わる昔話をもとにした演劇づくり等、自然・歴史等の地域資源と伝統芸能・ジャズ・ダンス・演劇等を組み合わせて様々なプログラムを実施してきたそうです。「八戸工場大学」は、工業都市である八戸市民には見慣れた光景である工場群を地域文化資源として捉えて、景観・文化・まちづくり・観光・産業等の多角的な視点とアートを組み合わせることで、その魅力や価値を再発見して発信しようとするプロジェクトで、市民と行政で一緒に運営して、工場について市民と一緒に学ぶ講座や、工場と連携したアートプロジェクトの実施といった活動をされているとのことでした。

 文化芸術によるまちづくりという明確な方針のもとで行われている様々な先進的な取組に圧倒されましたが、その根底には担当職員の皆さんそれぞれの文化芸術、地域、まちづくりに対しての強い思いがあり、自らが飛び込んでいき、対話を重ね、協力・連携を構築する中で企画を実現させているのだと感じました。文化政策の方向性を考える上で示唆に富む内容であり、貴重な勉強の機会となりました。