第9回シンポジウムが無事終了しました
12月22日土曜日に阿児町の阿児アリーナにおいて、第9回の「市町村合併を考える」シンポジウムを開催致しました。
今回は約550名の方々がご参加いただきました。誠にありがとうございました。定員が500名の大きな会場でありましたが、こちらの予想を大きく上回る多数の方々がいらっしゃることとなり、会場内ロビーのモニターで講演の様子をご覧になるほどでした。これまでにないほどの参加者が見えたことに対しまして、当該地区の皆様の熱意に敬意を表するとともに、事務局からお詫び申し上げます。
南勢志摩地区では、会場となった阿児町をはじめ、志摩郡内3町が三重県から県内で3番目に重点支援地域の指定を既に受けており、志摩町も年明けにはこの中にさらに加わる予定になっています。いわゆる志摩市構想は、合併特例法改正前から、地域住民の方、青年会議所等を中心とした活動が行われ、合併に係る住民発議が行われた経緯もあります。当時は、合併協議会の設立には至りませんだが、合併に対する思いは残されていました。その反面、合併の枠組みに関しては、志摩郡内においてもいくつかの考え方があり、今後の検討課題とされていることも事実であります。
一方、伊勢市及び鳥羽市といった都市の動向も注目に値します。三重県においては、都市プラス周辺の町村といった合併構図が描かれることが多々あり、これらの都市はその核となりうるだけに、具体的な発言や行動が近隣の町村にも直接的な影響を与えることも考えられます。
今回のシンポジウムではあまり議題に上りませんだが、中山間地が多い度会郡の将来も懸念されています。度会郡も町村によって生活圏、経済圏も異なり、これからも将来の姿を模索していると思われます。
このような状況下、南勢志摩会場では、会場定員を上回るご参加をいただく結果となりました。基調講演では、お一人には30分という非常に短い時間の講演でありました。パネルディスカッションの時間も約1時間30分とするのが、精一杯でした。このように、限られた時間でしたが、すべての発言者からは、非常に内容に富んだご意見が相次ぎました。この中では、会場から出されましたご質問に答えていただいたこともあり、まだまだ多くの主張が残されてしまいました。しかしながら、終了後の会場アンケートによると、講師及びパネリストのすべての方に対して、非常に高い評価を得たようです。今回は、まさに粒ぞろいの出演者であったと自負しております。聴衆の方は、それぞれの思い、考えのなかでお聞きいただいたと思いますが、ご自分と違う意見もご参考にして頂きたいと思います。
瀬戸亀男市長、樹神成教授、中村元様、中嶋勉様には、この機会に、改めて御礼申し上げます。
基調講演とパネルディスカッションの概要については、後日、当サイトに掲載いたします。
会場アンケートの中から目立ったご意見をいくつかご紹介します。
参加者の方及び開催に際しましてご尽力くださった多くの関係者の方に厚く御礼申し上げます。
シンポジウム事務局
会場アンケートに記入して頂いた意見から
・「パネリスト、中嶋勉さんの勇気ある発言に意を強くしました。」(阿児町、70歳代、男性)
・「合併しなければならないと思う反面、それではどうなるのか、メリット、デメリットは?三重県で最小の村であるがための不安が先に立ちます。」(大内山村、60歳代、女性)
・「合併問題に関しての基調講演は参考にできるものであった。金、物での解決では難点が残るような気がしますが、さらに詳細な物事、事例を住民に知らせる必要があると思っています。」(御薗村、50歳代、男性)
・「研究課題を与えてもらった。地域格差のある中で特性を生かしていくのが難しいと思うが、時代の到来で避けて通れないと思った。」(御薗村、60歳代、男性)
・「中央からの合併ありきの方針のもと、財政的な面からのみ合併の必要性というものを考えてきたが、根本的になぜ合併が必要なのかという必然性が見つけ出せない。」(なし、40歳代、男性)
・「市町村合併を考えているのは行政側が主で、市民がどう思っているのかという市民の声は聞こえてこない。国や県が期限を決めているので、あせっている感じがする。」(鳥羽市、20歳代、女性)
・「参加者の認識格差が大きい。慎重論で折角の機運が後退しないか心配。新しいまちづくりのため前向きに。」(阿児町、60歳代、男性)
・「スペイン村を有する近鉄が磯部町にもっとプレッシャーをかけるべき。志摩市となって全国にPRするしか21世紀に生きる道はない。」(津市、30歳代、男性)
・「今後もこのような活動(シンポジウム等)を通じて広く情報の提供を住民にして頂きたい。当然、私たちも参加していかなければならないが。」(大王町、40歳代、男性)
・「福祉の面から必要性がありそう。幼稚園、保育所の選択ができる。地域(4町)の問題点を見つめなおさないといけない。なぜ必要か、説得させる材料がない。または少なく感じた。」(大王町、20歳代、男性)
・「瀬戸氏、樹神氏の意見から篠山市長は現実に合併を進め、現在も推進している当事者である。樹神氏は机上の意見で現実的でないように思うが。私の村に篠山氏の鈴が当てはまるか?むずかしい問題であります。わからなくなりそう!中村元氏の発言に注目!!」(大内山村、60歳代、男性)
・「篠山市の場合は、自らの長い間の考えで合併したもので17年という期限にせかされて合併すべきものではないことを教えている。自分たちの町の住民の生活と活性化のため、時間をかけることが必要と思う。」(南勢町、40歳代、男性)
・「大変有意義であった。特に樹神さんの意見を聞き、失敗は許されないことを実感しました。」(小俣町、40歳代、男性)
・「国の財政事情による合併が地域住民にとって有益なものか慎重に考える必要がある。こういった勉強会に初めて参加し、非常に有意義だった。」(御薗村、30歳代、男性)
・「今、現在のままでも特に問題とは思っていない。合併という問題が起きて自分たちの住む地域について考えることができた。」(阿児町、20歳代、女性)
・「行政改革のため必要である。県として県民に認識せしめるよう広報を充分にするようにされたい。」(御薗村、60歳代、男性)
・「樹神先生の話は学者論であり、海外との対比等が多く、この地域の論議にはなじまないと思った。」(志摩町、40歳代、男性)
・「樹神教授のお話は教科書的で参考にはなったが、現実性や危機感を持った議論とは考えられなかった。」(伊勢市、30歳代、男性)
・「合併すれば、行政サービスが悪くなるのではないかとあやふやに思っていましたが、樹神先生のお話を聴き、確信しました。」(鳥羽市、30歳代、女性)
・「実際に合併したところでどう変わるかがあいまいだと感じた。考え直すいい機会を作ってくれた。おもしろかった。」(伊勢市、20歳代、男性)
・「推進するも反対するも多くの問題があるが、国の財政はさらに困難になる中で、いずれは必要と思うことがあるので、皆で考え、推進すべきと思う。瀬戸市長の意見を聞き、今より合併の考えに力が沸いてきた思いがする。」(阿児町、60歳代、男性)
・「合併に不安はない。」(浜島町、50歳代、男性)
・「”地方の自立”の意味がこのシンポジウムで自分の中で変化した。住民は行政が豊かになることを望むのではなく、住民の心が豊かになることを望むといわれた中村さんの意見に感動しました。」(鳥羽市、50歳代、女性)
・「あくまでも住民主体で進めなければいけないと思う。(たとえ、結果が良くなっても、悪くなっても)要するに住民側から合併の機運が盛り上がってこないとだめ。平成17年3月末にこだわるのではなく、じっくり論議を行ってからする、しないを決定したほうが良い。」(磯部町、30歳代、男性)
・「17年ぐらいに合併するぐらいであると思っていたが、早期合併が必要と思っております。このような研修会を多く開催し、市町村職員だけではなく、広く住民等に必要性を周知し、理解、認識を得るようにするべきである。」(南島町、50歳代、男性)
・「篠山市長の合併の具体的な話を聞くと合併も必要なのかと思った。」(磯部町、50歳代、男性)
・「兵庫県篠山市長のお話を伺い合併することによって町と町とがつながり、それぞれの個性、特性をより生かされることができた話で少し安心できた。私たちの地域を守るために住民主体で生き残るために行政も巻き込み合併は必要だと思います。」(大内山村、60歳代、女性)
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